脱いだヘルメットの中からは煌く金髪がポトマック川からの風を含みながらふわりと豊かに広がり、彼女の顔にまとわりつく。

「Hi!あなたがトールね。兄から聞いてバイクを飛ばして来たの。

説明は後。とにかく乗って」

息を呑むようなその若く美しい女性は、金髪の長い髪を手早く三つ編みにすると、僕に後ろに乗るように促し、自分がさっきまで被っていたヘルメットを僕に被せる。