僕はさっきの男の懐から失敬した鍵の束を取り出す。


その中から、車のキーを探し出し、開錠キーを押した。


駐車場の右手奥から車のライトがパッシングするのが見えた。

「やるじゃないか。トール!」

キンケイドが僕の髪をぐしゃぐしゃにする。

「もう、扱いが雑すぎるよ!君は」

キンケイドに文句を言いながら、僕はパッシングのする方向に走り、彼らに続いて急いで車に乗り込んだ。