「やったよ。SDカード、渡したろ?」

ケッチャムが呆れ顔で、前方からの狙撃に応戦する。

「え?!あれがそーだったの?」

「AMH社の社長に渡してって言って渡したやつがそうだよ。ちゃんと渡してくれたのか?」

「それだったら、クリスマスプレゼントとして渡したよ。なぁ、トール」

僕はコクンと頭をたてに振る。

「うん。ケッチャム、だから今、僕はここにいる……」

ケッチャムは改めて僕の方を向くと口をアングリとさせる。

「あ……あんたが社長!?どう見ても高校生じゃないか!」

ケッチャムは僕を一瞥すると目を丸くさせながら後ずさりする。

「まぁ……そうだね。普通に高校生だったよ。残念ながら、ここに来るまではね」