木枯らしが吹く冬のワシントンの景色をよそに、僕とキンケイドは車内で入念に打ち合わせを繰り返す。


C&Hメンタルケア・ラボラトリィはワシントンのやや郊外にあり、真っ白なペンキで塗りたくられた壁が、次第に木々の間からその姿を現す。


周りの牧歌的な建物とは対照的なラボの外観は、禍々しい雰囲気を醸し出している。


まるで、要塞のようだと思った。


僕とキンケイドはお互いに目配せをする。

いよいよ、戦闘開始だ。

キンケイドが車を正面玄関に横付けすると、警備員が走り寄って来た。