C&H社のやり口は巧妙かつ卑劣だと言う悪評は聞いていたが、まさかその手がケッチャムに伸びていたとは……。

「ヤツは病院から出たがっていた。『オレは病んじゃいねぇ!』ってね」

キンケイドはそれから更に彼の近況と家族構成を僕に教えてくれた。

「分かった。僕が彼を出そう。ワシントンに着いたら連絡するから、君も手伝ってくれないかな」

「何でオレが!」

「ネタを提供するから」

「ピューリッツァークラスか?」

「それは、君の腕と運次第」