「ハロ。トール・フジエダです」

「なぁんだ。トールか」

「……いるんなら出てよ」

「何かと忙しいんだよ。オレも」

「その忙しいところ悪いんだけど、人を探して欲しいんだ。君のそのネットワークで」

「人探しは探偵事務所をご利用下さい。では……」

僕はキンケイドが電話を置こうとする瞬間に言葉を滑り込ませる。

「待って!ロナルド・ケッチャムを探して欲しいんだ!」