僕は君の声が聞きたくなって、車を路肩に寄せてケータイに手を伸ばす。

と、同時に、ケータイが鳴る。


「トール!大変なことが起こりました!!

急ぎ、アメリカにお戻り頂きたいのですが」

切迫した声の主は、秘書のハインツだった。

「何があったの?」

「C&H社が、当社のマジョリティ(大株主になる)を取る動きを見せています」