「あいつに付けた傷が、一生残ればいい。
そうしたら、オレは一生あいつの側にいて、あいつに償う。
・・・・・・お前には絶対に渡さない」

「あんたは間違ってる」

僕は怒りに燃えた心を押さえようとハンドルを強く握り締めた。

「オレからすれば、お前の存在自体が間違ってるんだよ。

お前が現れなければ、俺達は普通に愛し合っていたはずなんだ」

「自分勝手な理屈だな」

片岡は黙って、次の煙草に手を伸ばす。

「僕は最初、彼女が望んであんたに抱かれたんだと思っていた。

彼女もあの時、そう言っていた……。

なのに、彼女の体には抵抗した痕があったんだ」