車はもうハルナの家の近くまで来ていた。

まだ、帰したくない

君の側にいたい

もっと君の笑顔が見たい


車を家の脇に止め、しばらく君の寝顔を見ていた。

対向車が僕達の車の横を通りにくそうに通るから、仕方なくすっかり寝入ってしまっていた君を揺り起こす。


「着いたよ、ハルナ」


君は一瞬、状況が理解できなかったのか、辺りをきょろきょろ見渡し、次の瞬間、目が潤む。