階段を降りると、街の喧騒が一気に僕達を現実の世界へと引き戻す。

電車の音

ホームの出発音

パチンコホールの放送

車のクラクション

「凄……い。音、音、音、音が降って来る!まるで音が洪水みたい!

トオル君と出会わなかったら、こんな世界があるなんて知らなかったよ。きっと」

ハルナは静寂の世界からの生まれたての子供のように無邪気にはしゃいだ。



そんな君が愛おしくてもう一度君を抱きしめ、その唇にキスをする。