「洗ったげようか?髪」

「え?!」

トオル君の突然の言葉に胸がドキドキしてきた。

冗談?本気?

トオル君は私の返事を待ってる。

きっと。

どうしよう……。

昨日の夜は彼を拒絶してしまったから。

もし今も断ったら、彼は気を悪くするかもしれない。

どうしよう……。

どうしよう……。





長い沈黙の後、

「冗談だよ」
「お願いします!」

と言う私達の声が重なった。


【第6章〜ハルナの章〜】完