「ハルナ、髪洗った?」

「ううん。何で?」

「実は、髪がかなり汚れてる。たぶん、その……ハトのフンだと思う」

「え?!うそうそ!どこに!?」

「右上、だったかな?」

私は慌てて右上を触ってみた。

鳥の羽と一緒にフンらしき物が……。

すごいショック。

トオル君がそぉーっと小声で話し掛けてくる。

「大丈夫?」

「……大丈夫じゃない」

私の半泣きの声にトオル君は黙ってしまう。

そうか。それで、彼はお風呂って言ってたんだ。

感謝しつつも、泣きそうになる。

知らないでずっとトオル君の横を歩いてたなんて……。