「ト、トオル君!ヒトが見てるよ!」

案の定、さっきの女の子達は「きゃーーー!!生チューだぁ!!」って私たちを指差して叫んでる。

トオル君は彼女たちの方をちょっと見ただけで、気にもせずに、再び私を引き寄せて、さっきより長い長いキスをする。

女の子達は身を捩りながら、更に黄色い声を甲高くさせている。

酸欠で、目がクラクラして体中が火照ってきた。

トオル君ってば、ひどいよ。


「さぁ、行くよ。ゆでだこさん」

彼は足に力の入らない私の腰に手を回すと、ゆっくりとジャリ道を歩き始めた。