「ぷっ!」

セーターを脱がせるなりトオル君が吹き出す。

「頭がハトの巣になっちゃったね」

トオル君のコメントが、私の凹んだ気持ちに更に追い討ちをかける。


「トオル君、ヒドイ。人の不幸を……。ゴクアク……」

「ごめん。でも、思わず笑っちゃったよ。……可愛くてね」

「付け足したみたいに『可愛くてね』なんて言われても……」

拗ねてトオル君に背中を向けて歩こうとする私をぎゅっと抱きしめると、そっとうなじにキスをする。

「可愛いって思ったのはホント」

トオル君って、ホント、ずる過ぎる。

これで傷付いた気持ちをとろかしてしまうなんて……。