ううん。

キレイなのは藤枝君の方だよ。


こんなこと……

本人を前にしては言えないけど……。


しばらく2人で並んで歩いていると、はやし立てる声が下の河川敷の方から聞こえてくる。



「トオルセンセー!その人、カノジョ~!?ヒューヒュ~♪」


小学生くらいの野球少年たちがこちらに向かって手を振っている。


「違うよ。この子は友達だよ!」


藤枝君は下にいる子供たちに向かって叫ぶと、参ったなって顔をして私を見る。


「嫌な思いさせてごめん。あの子達は、僕の友達なんだ」