「落としたくないから、この中に入れてるの」

「ハルナ、そんなトコに入れてないでさ。着けてよ」

「だって、無くしたら悲しいし……」

「大丈夫!君はぽーっとしてるから、身に着けてても、バッグに入れてても無くす時は無くすよ。それよりも、着けてくれた方が嬉しいよ」

トオル君のムチャクチャな主張に私は更にむくれてしまっていた。

「これ無くしたらショック大きいし、立ち直れないもん」

「無くしたら新しいのを買ってあげるよ。だから安心して着けて……」

「だけど、トオル君が初めてくれたプレゼントはこれだもん。
他のじゃダメなの!これは特別なんだもん!」

トオル君は、何も言い返さずに、はぁっと小さく溜息を吐く。