「そういえば、学校の近くの教習所に通ってたけど、免許取れたんだね。でも、取り立てなのに、すごく運転が上手……」

「うん。実は、16のときに免許は取ってたんだ」

「16?!」

「アメリカでは取れるから」

「そうなんだ……」

トオル君のことを知りたいと思ったけど、知れば知るほど、想像をはるかに超えた彼の答えに圧倒されてしまう。

「そう言えば、トオル君、さっき、プレスがどうとかって言ってたけど……」

「質問攻めだね」

トオル君がちらっと私を見て笑う。

「ごめんなさい……」

「おばあ様が、亡くなったんだ」

「トオル君、おばあさん、亡くなったの?」

「うん。昨晩ね」

「そんな……」