話し合いを終えたのか、トオル君はリビングに戻って来ると、棚の引き出しから鍵の束を掴みポケットに入れた。

「父さん、後は頼みます。それから伯母様達にはお悔やみを」

「……分かった。トオル、お前はやはり来ないのか?」

「うん」

トオル君はお母さんに「行って来るよ」と言って優しく頬に口付けした。

私はご両親にペコリと頭を下げて挨拶をすると、彼に肩を抱かれながら家を後にした。