はにかむトオル君。

優しいトオル君。

照れるトオル君。

困った顔をするトオル君。

そのどれもが私が知っているトオル君の顔だ。

でも今のトオル君は……

眼光は鋭く、堂々として、風格すら漂っている。

「分かりました。今、伺いますが、撮影はご遠慮願いたい」

トオル君の目には仄かに碧色の炎が揺らめいているような気がした。