「心配だからそこまで送るよ」


いけない。

つい見とれてしまってた!


恥ずかしさに慌てて彼から目を反らすと、まだ少し頭がクラクラしたので藤枝君の申し出を受け入れることにする。


病院を出るときに気付いたんだけど、ここは「多摩川産婦人科医院」と言う病院だった。


看板を見て、やっぱりこの間の電話はここで良かったんだと納得する。


「ここは藤枝君の家だったんだね」


その問いに彼は、ちょっと寂しそうに笑う。


「違うよ。ここは、叔父さんの病院。僕の家はワシントンにあるんだ」