トオル君は少しでも私の気持ちが落ち着くようにと、アロマキャンドルを持って来てくれた。

ゆらゆらと揺れ動くロウソクの炎が壁にも揺らめいて、不思議……心が安らいでくる。

「はい、蜂蜜入りのミルク」

「トオル君は?」

「グリューワイン」

「トオル君、やっぱり不良ぉ……」

「お褒め頂き、有り難うございます」

トオル君が、ペコリと頭を下げる。

「褒めてないです!」

私たちは、お互い顔を見合わせクスリと笑う。