「ハルナ、来てごらん」

トオル君はバルコニーの扉を開けると、海岸線沿いに見える灯りを指差した。

遠く江ノ島の灯台の明かりが、雲に円を描きながら動いているのが見える。

「明るかったらきっと美しい海が一望できるよ」

トオル君が私の肩にそっと手を掛ける。