トオル君のお母さんと向かい合ってソファに腰を下ろし、暖を取る。

「だけど、徹。夜遅くにお嬢さんを連れ出すのは感心しないわ。

彼女のご両親はこのことをご承知なのかしら?

ご心配されていないかしら?」

「僕が無理に連れ出したんです。連絡は後で僕から入れるつもりでした」

トオル君が力強く私の肩を抱く。

「そう……。分かったわ。とりあえず、ここは私に預けて頂戴。

私から彼女のお宅に連絡を入れるわ」

私は真っ赤になって俯いた。

トオル君のお母さんに、ダメな女の子って思われてしまったかもしれない……。

トオル君はその私の気持ちを察したのか、「大丈夫だから」と私だけに聞こえるようにそっと耳打ちする。