「初めまして。園田春名と言います」

トオル君のお母さんは私と目が合うと、優しく微笑んで、そこでは寒いでしょうからと暖炉のある客間へと通してくれた。

「お手伝いさんは冬の間はお暇を出しているの。

管理人が1週間に2、3日しか来ないからご不便を掛けてしまったらごめんなさいね」

トオル君と同じ穏やかな口調、心地良く人を気遣う優しさが胸に染みる。