トオル君は私の涙をそっとその手で拭うと、「キレイだ」と言った。

「こんなに涙でぐちゃぐちゃなのに?」

「……だけど、君はキレイだ」

トオル君は、私に軽くキスをすると、唇をゆっくりと動かし、私の唇を愛撫し始める。

今までのトオル君とは違うキス……。

トオル君の全てを与えるかのような温かいキスに、私は全てを忘れて静かに彼のキスを受け入れる。