「ハルナ。まだ時間が掛かるから、僕に寄っ掛かっていいよ」

トオル君は私のおでこに手を回し、自らの胸に引き寄せると、頬を寄せた。

私はこの時初めて彼の体温の高さに気が付いた。

「トオル君!まだ熱がある」

私は顔を上げると、トオル君の額に手を当てた。

「熱い……。引き返そう?こんな体でどうして外になんか……」

「君に逢いたかったんだ。あの土手を歩いていたら君と逢えるような気がして……」

「無謀過ぎるよ!そんなこと……」

「でも、逢えた」

トオル君がにこっと笑う。