「じゃ。私、こっちだから」

トモは穏やかに微笑んだ。


「……ハルナ?」

「ん?」

「今日は本当に有り難う」

「ううん。何も出来なくてごめん」

「そんなことない。心強かった」

私は泣きそうになりながら、トモを抱きしめ、彼女の後姿を見送った。

トモ、本当にビックリするくらい、強かった。

私も、うつむかないで、上を向いて歩いていこう……。

私は紅い太陽の翳を振り切るかのように、自分を励ましながら一歩を踏み出した。