産婦人科からの帰り道。

私たちは、多摩川の土手に腰を降ろしたまま、冷たい風を頬に受けていた。

「そろそろ帰ろっ……か」

「……うん」

「ハルナが泣くことないよぉ」

「……」

「あ~あ。妊娠10週目かぁ。なんかイマイチ、実感が無いよーっ。つわりとかもないしね」

「トモ……」

「ん~?」

「これからどうするの?」