温かなサーモンピンクで統一された産婦人科医院の待合室で、私とトモは呼ばれるまで3時間待った。

周りでは大きなお腹をした妊婦さんが編物をしたり、旦那様と一緒に幸せそうに話していたりして、凄く居心地が悪い。

「皆川さん!みなかわ、ともこさーん!」

名前を呼ばれ、トモはおどおどしながら診察室の扉を開ける。

「やっ、やっぱり、ハルナも来て!独りじゃ心細い……」

トモは血の気が引いた手で私の手を掴むと、目を潤ませる。