「あいつ、『オレには育てられないから堕ろして』だって。それで、これ」

トモはポケットからトモ名義の通帳を出し、私に見せる。

「一、十、百、千・・・・・・50万!?どうしたのこれ?」

「あいつがこれで堕ろせって。車を売ってお金を作ったから……だって。ひどくない?」

トモは堰を切ったように大声で号泣した。