「待って!君、名前は?」

君はもう振り返ったりしなかった。

君の母親らしき人が「ハルナちゃん!こっちよ」と手を振って君を呼び寄せていた。

あの子の名前……。

ハルナって言うのか……。

僕は初めて君の名前を口ずさみ、胸の高鳴りを覚えたんだ。




【第5章〜トオルの章〜】完