君はまるでモンシロチョウのように花から花へと軽やかに歩くと、僕に花の名前を教えてくれた。

「ニチニチソウ、マリーゴールド……」

「すごく良く知ってるね」

「種明かしすると、そんなに詳しくないの。本当はここの看護師さん達が教えてくれたんです」

君の声は穏やかで心地良く、僕の心を包み込んでいくようだった。

だからかな……。

僕はただ君の声がもっと聞きたくて、次々と花を指差しては君に質問してしまった。