「ほら!私もね、さっき見つけたんですけど、ここの自販機だけスライダーみたいなのが付いてて、車椅子でも楽々買えるんですよ」

「本当だ。凄いね」

「良かった!」

女の子は心から喜んでくれたようで、嬉しそうな声を上げる。

「でも、良かったらボタン押しますよ。何を飲みますか?」

「じゃ、ミネラルウォーターを……」

女の子は、白く細い手を伸ばしてボタンを押す。

「はい。どうぞ」

彼女はそう言うと、はにかむように笑って僕の目の前に現れ、ミネラルウォーターを差し出した。