喉の渇きをおぼえて、僕は自動販売機があるところまで車椅子を動かした。

そして、ミネラルウォーターでも飲もうと自販機にお金を入れようとしたら、思いのほか位置が高くてお金を落としてしまった。

「大丈夫ですか?」

背後から女の子の声がした。

彼女は掌に五百円玉を乗せて僕に差し出した。