そこへ顔見知りのドクターが駆けつけて、「Dr.フジエダ、ご無事でしたか!」と僕の無事を喜んでいた。

だけど、ストレーチャーの上のジョージの遺体を見ると、憐れみの涙を浮かべ十字を切った。

「失礼しました、Dr.フジエダ。あなたも早く救急車にお乗り下さい」

1人の救急隊員に促されて、救急車に乗る。

僕はその時、初めて目から血が流れ出していることに気付いた。