僕が厨房の扉を開けたとき、今にもジッパーが閉じられようとしている袋の隙間から金髪とジョージの顔が覗いているのが目に飛び込んできた。

僕は転びそうになりながら、その元に駆け寄った。

「ジョージ!ジョージ!」

僕は救急隊員を押しのけ、ジッパーを下まで降ろすと、すぐさま脈を取り、瞳孔反応を確認した。

「何やってるんだ!」

救急隊員は僕を脇から抱えて、ジョージから引き離す。

「僕は医療関係者だ!」

「君、医療関係者って……。どう見ても子供じゃないか」

彼らは、「頭をやられたか、坊主」と言いながら吹き出した。

僕はポケットしにしまっていた研究所のIDカードを出して彼らに見せた。

彼らは驚いた様子でお互い顔を見合わせた。