振り向きざまに、僕はずっと胸に抱いていた疑問を初めて彼に投げ掛けた。

「Mr.アンダーソン。あなたはどうして僕を殺そうとしたの?」

「お前は危険だからな。奴らはこの研究所の人間を皆殺しにするつもりだ。だが、お前は違う。例外だ。奴らはお前を捕縛し、利用するつもりでいる。だから、オレはクライアントにお前が奴らの手に落ちるくらいだったら殺せと命令されていた。
さぁ、これでもう説明は終わりだ。行け、トール」

「僕が逃げたら、あなたは困るんじゃないの?」

僕は彼の身を按じた。