再び寝息を立てて眠るトオル君の額のタオルを替えると、私はかずにぃのいる部屋へ向かった。

「かずにぃ。私、帰るね」

「どうした?」

「うん。ちょっと、ママから電話があって……」

「俺も行くよ」

「え?!いいよ。これ以上、かずにぃに迷惑かけられないから」

「いいから。いくぞ」

かずにぃはその大きな手で私の頭をクシャクシャにし「ほら、早く」と私の手を掴んだ。


【第4章〜ハルナの章〜完】