「かずにぃ。有り難う」

かずにぃは黙ってトオル君を見下ろしている。

「むかつくな、こいつ」

「え?」

「お前がオレに抱かれたなんて聞いたその日に、その女のもとに来るか?フツー。
オレが逆の立場だったら……少なくとも、正気じゃいられない。八つ裂きにするかもな。こいつを」

かずにぃが苦々しく笑う。

「オレはオヤジの書斎でレポート書いてるから。何かあったら呼べよ」

と、言い残して部屋を出た。