それからどうやって自分の部屋まで辿り着いたのか、よく覚えてない。

ベッドにしがみ付くようにうずくまり、深く深く深呼吸をする。

身体はまだ車に乗っていた二人の時間を忘れていないかのように揺れてる。

唇にそっと触れてみる。


かずにぃとキスした。


ファースト……キス……。

だけど……

ファーストキスってみんなあんな感じなの……?

こんな風に怖いって思うものなの?



キスをした時のかずにぃの顔がゆらゆらと浮かんでは、夜の闇に溶けて行く。


だめ……。


頭がパニクってて、思考が全然まとまらない。


でも、これだけは分かる……。