かずにぃは私を抱え込むように車に乗せると、荒々しくドアを閉めて車を走らせた。

私は体がだるくて、車のシートに体を預けると、せわしなく動くワイパーをただ黙って見つめていた。

しばらくして、かずにぃが車を路肩に寄せる。

「おまえ、何でウソを言った?オレを愛してるなんて」

かずにぃがハンドルを抱きかかえるようにしてうつぶせる。

カチカチカチと言うハザードランプの音が二人の沈黙の間を縫う。

「……ウソじゃないよ」

「ウソつけ。ハルナ、お前、何、考えてる?」