かずにぃの振り絞るような声に、はっとして顔を上げると、そこには今まで見たことのないかずにぃの切なげな瞳があった。



真剣な瞳。


怖いくらい真剣な……。


一瞬、私は逃げたい衝動に駆られる。


怖い。


真剣なかずにぃの瞳が、怖い。


射抜くような真っ直ぐな瞳が……


怖い……。


かずにぃが今まで見たことのない、初めて見る男の人のように見える。


私は車から降りると、走り去るかずにぃの車のテールランプが見えなくなるまで、ただずっと立ち竦んでしまっていた。