なのに、電車がトオル君が乗る駅が近づくにつれて、胸が締め付けられる。

私の心臓はどんどん早くなっていき、グラグラと世界が回り始める。

隣りの駅に電車が着くと、見慣れたスポーツバッグを肩に掛けたトオル君が乗ってきた。

「おはよう」

トオル君がいつものように私の横に立ち、つり革に手をかける。

だけど、そうしている間にも呼吸は更に苦しくなって、次第に喉がかっとなり、肩で呼吸をするようになってしまっていた。

背中が…、喉が……熱くなっていく。