「好きです……じゃ、ひかれちゃうかなぁ。子供のくせにってもらってもらえないかも……」

そんな風に、あれこれとカードに書く内容を考えながら歩いていた。

かずにぃの家まで、あと数メートルのところで、突然、前方から走ってきた人とぶつかった。

「ごめんなさい!」

謝って顔を上げると、相手は小谷沙代子のお姉さんだった。

「ハルナ、ちゃん……」

お姉さんの様子がいつもと違ってなんとなくおかしい。

目が真っ赤だ。

「どうしたんですか?」

「ううん。何でも……。それより、ハルナちゃんこそ、どうしてここに?」

「家に帰るところですけど」

咄嗟にウソをついて、かずにぃのプレゼントを後ろに隠した。