胸が……


息が……


苦しい。



きつく目と口を結び、クラクラしながら嵐が過ぎ去るのをじっと待つ。


だけど、唇はかずにぃに捕われたまま、息をすることも許してくれない……。


ようやく唇を離してくれたのは、海をわたる風が止んだ後だった。


「車……戻ろう」


かずにぃに手を引かれて車に戻る。


でも、恥ずかしくてかずにぃの顔がまともに見れない。

その後、かずにぃが気付いてケータイでググってくれて、車のキーの電池交換は何とか無事にできた。

食事も無事できたと思う。