「……言いたくない」

私は、上目遣いにかずにぃを睨むと、口をつぐむ。

「私、宿題があるから今日はこれで……」

かずにぃに背を向けて、リビングを出ようと急いだ。

「待てよ!」

かずにぃのいつになく強い口調に足が止まってしまう。

振り向くと、かずにぃがソファからゆっくりと立ち上がり、私の方に歩み寄って来るのが見えた。


―――今度こそ、本当に抱く―――

あの夜のかずにぃの言葉が脳裏をよぎる。