「この曲、聴いた事がある。なんていう曲?」

「ヨハン・シュトラウスの『美しく青きドナウ』だよ。

有名なウィンナ・ワルツなんだ。良かったら踊ろう」

「えええ?!無理だよ!踊れない!!ムリムリムリ!!」

「大丈夫だよ。僕に体を預けて」

トオル君は、私を抱き上げると、ゆっくりと曲に合わせて、クルクル回り始める。