大きな広間の窓際に、置いてあるピアノ。

その向こう側でトオル君の弾いている姿が見えた。

「トオル君?!」

私の声に、ピアノの演奏が中断してしまう。


「どうしたの?もしかして、ハルナちゃんも寝れないの?」

「も、って。トオル君も?」

「何となくね」

私はトオル君の近くまで歩いていく。

月の光の加減のせいか、普段から白い彼の肌がより青白く見えた。