「着きましたよ」

運転手さんの声に現実に引き戻される。

「え!ここが!?」

私は、車から降り立ち言葉をのむ。

古い洋館の作りながらもとても大きな別荘。

時代を感じさせる風合いの煉瓦造りのその家の庭は、今もなお若々しい新芽を出す花々で埋め尽くされていた。