水面に優しく月の光が反射している。

藤枝君はしばらく立ち止まり、海の波の音を聞いていた。

この優しい波の音も、柔らかい月の光もまるで藤枝君みたいだ。

静かな情熱を秘めているような……

それでいて、優しく私の心の中に染み込んで来る温かな彼の思い。

私は安らぎを感じて、ゆっくりと彼の胸に顔をうずめた。